| □ 海のはなし海のチョッピリおもしろい,豆知識をご紹介。酒の肴じゃないですが,渡嘉敷島の自然をお楽しみいただく肴にしてください(笑)
 なお,
 記載内容のいろいろな数字は,物理学ほかに詳しい方からすると『?』でしょうが,
 一般的(簡単)な表現だとご理解くださいね。
 
 
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|  | ◎ なぜ,渡嘉敷島は臭くない? 
 『潮の香り』『磯の香り』などと言われる独特な臭い。
 内地(沖縄県外)の海では臭いますが,渡嘉敷島ではまった
 く臭いがしないって,気づいていました?
 ではなぜ,渡嘉敷島は臭くないのか?
 臭いには魚の腐敗臭や海藻,プランクトンなどの要因があり
 ます。
 コンブやワカメが生息していない渡嘉敷島は,プランクトン
 も少ないのです。
 また川があって無いような渡嘉敷島は,山や森林から海に染
 み出した植物プランクトンが少なく,それをエサとする動物
 プランクトンも少ないのです。
 ですから臭いの元となるものが少ないので,渡嘉敷島は臭い
 がしないのです。
 
 
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|  | ◎ 海の流れ 
 海の流れは大きく分けて『海流』と『潮流』があります。
 海流は主に地球の自転で,潮流は海洋状況や地形・塩分濃度
 ほか,いろいろな要因で起こります。
 なかでも月の引力によって生じる流れを『潮汐流』といい,
 特に注意が必要です。
 潮汐流は小潮(半月)のときが弱く,大潮(新月と満月)の
 ときは強く流れます。
 潮汐の時間はその地域によって違います。
 それは,それぞれの地域の子午線の上を月が通過する時間が
 違うからです。
 つまり月の引力を受ける時間は,それぞれの地域で異なるの
 です。
 また潮汐は,それぞれ1日に2回ありますが,必ずしもその
 ようにはならない日と地域があり,それを『日潮不等』とい
 います。
 オホーツク海や日本海,瀬戸内東部では,日潮不等が大きく
 1日1回潮となることも珍しくないようです。
 また信じられないでしょうが,小潮のときと大潮のときでは
 富士山の高さが変わるのです。
 
 
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|  | ◎ 土用波 
 波は風によって起きます。(地殻変動で起きるのは津波です)
 その波を風浪・うねり・磯波などといい,総称を波浪と呼び
 ます。
 長い時間風が吹くと,海面のさざ波が画像のような波へと発
 達していきます。
 その後,風が止むとか風の影響を受けない所(海域)になる
 と,波長(画像の山と山,谷と谷の長さ)が,メチャメチャ
 長くなります。
 これを「うねり」といいます。
 うねりはダイビングボートに乗っていると判りますが,岸か
 らは判りにくいものです。
 風が無く,海は真っ平で穏やかに見えますが,岸の岩場や岸
 壁で波しぶきが見られます。
 これはうねりが岸に打ち寄せてできる現象で『土用波』と呼
 ばれるものです。
 沖縄の南の方で台風が発生すると,内地の太平洋側ではうね
 りによる土用波が発生します。
 
 
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|  | ◎ 色が変わる? 
 陸と違って海の中はチョット変わったところがあるのです。
 まず1つ目は,色が吸収される世界だということです。
 たとえば赤色は,水深3mほどで色が変わりはじめ水深7m
 になれば,ほとんど黒に近い色に変わってしまいます。
 色の変化が少ない青色でも深くなるにつれて黒色に近づいて
 ゆきます。
 そして,海の中は青の世界から暗黒の世界へと変わってゆく
 のです。
 
 
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|  | ◎ 大きく見える? 
 マスクを装着して空気の層を作らないと,裸眼で海の中を見
 ることができません。
 水族館のガラス面が,マスクのガラスになるということです。
 マスク内の空気の層と水中,つまり水と空気では光の屈折率
 が違うために面白いことが起こります。
 それは,マスク越しに見える水中の魚は実際の距離よりも近
 くに,ほんとうの大きさよりも大きく見えるのです。
 水が入ったガラスコップにスプーンを入れたとき,スプーン
 が大きく見えますよね。 それと同じです。
 釣り人が『逃した魚は大きい』っというのは,この屈折率の
 イタズラなのです。
 
 
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|  | ◎ 音の速さ 
 陸上を歩くときと浅いプールを歩くときとでは,抵抗がまっ
 たく違います。
 それは,水の密度が空気の密度の800倍もあるからです。
 そしてその密度と音の伝わる速さは関係していて,水中では
 陸上の4倍の速さで音が伝わるのです。
 あまりにも速く伝わるので,人間の能力では音源の位置が判
 断できません。
 ですから,水中でエンジン音がしたなら浮上は厳禁です。
 うっかり浮上してボートと接触! なんてことになったら大
 変です。
 このような水中環境を上手く利用する方法として,水中でア
 クシデントに遭遇したとき,水底の石や身の回りに固い物が
 あれば,それを使ってタンクをたたくとガイドにアクシデン
 トの発生を早く伝えることができます。
 
 
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|  | ◎ 音の速さ(余談) 
 お寺の鐘の音など,いつも遠くから聞こえる音が近くに聞こ
 えるときがあります。
 それは空気中の水分が多くなり密度が増しているから,音が
 速く伝わったのです。 (観天望気/近々雨が降る前ぶれ)
 あまり役に立つ情報ではありませんが・・・(汗)
 雷が光った瞬間から音が聞こえるまでの時間を測ると雷まで
 の距離が判ります(下の公式を参考)
 そして風向きが判れば,雷がこちらへ来るのか?
 他へ行くのかも判断できます。
 
 『1秒間に伝わる音の速さ=331.5m/s+0.6t』
 この公式は1気圧0℃のときで,tは気温です。
 気温が1度上がれば0.6m速くなります。
 例えば,気温30℃のときに雷が光って10秒後に音が聞こ
 えたとすると3,495m。
 約3,5km離れた所に雷雲があることになります。
 音が聞こえるのは,通常10kmぐらいまで。
 光っていても音が聞こえないときは40~50kmくらい離
 れています。
 
 
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|  | ◎ 透明度&透視度 
 水中のクリア度の良し悪しは何によって決まるのか?
 その要因は,天気や海洋状況,河川などいろいろあります。
 今回はその中から2つ,ご紹介いたします。
 まず1つ目はプランクトンです。
 プランクトンが多い海域は,栄養が豊富で魚が多く漁業に適
 しています。 っが,クリア度は悪くなります。
 例えば親潮(千島海流)の影響を受ける海域では,クリア度
 は良くありませんが,漁獲量はメチャメチャ多いのです。
 プランクトンが少ない渡嘉敷島は,クリア度は良いのですが
 漁獲量は比べるに値しないほど少ないのです。
 
 2つ目は水温です。
 空気同様に冷たい海水は重く,暖かい海水は軽くなります。
 夏に海水温が上がるのは海面付近で,深い所の海水温はほと
 んど変わりません。
 軽い水は重い水の表面に浮くので,深い所の海水と海面付近
 の海水は混じりにくくなります。
 その結果,海面付近の海水はいつまでも入れ替わらないので
 汚れてきます。
 秋から冬は海水温が下がるので海面付近の水が重くなり,深
 い所の海水と混じりやすくなります。
 そのようなことで,秋から冬の海は夏の海よりクリア度が良
 くなるのです(※1)
 また台風のあと渡嘉敷島の海が綺麗になるのは,台風による
 波が海水を混ぜてくれるからです(※2)
 
 ※1&※2:内地の近海も同じです。
 
 
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|  | ◎ なぜ海は青いの? 
 海水を手で汲んだりコップに入れて見ると透明なのに,なぜ
 海は青く見えるのでしょうか?
 それは,太陽の光が関係しているのです。
 太陽の光が水中に入ると色は深度と共に吸収されてゆきます。
 吸収されにくい青色が海の中の不純物(浮遊物やプランクト
 ンなど)に当たって跳ね返り青く見えるのです。
 そして深い所は濃い青色に見えるなど,水深や水底(砂地や
 岩など)の状態も関係します。
 比較的浅い海域がエメラルドグリーンに見えるのは,植物プ
 ランクトンの反射(主に黄色)と太陽の光の青色の反射が混
 ざっているからです。
 異論があるでしょうが・・・。
 空の青色が,海に写っているのも大きな要素です。
 
 ※『色とは何か?』にふれず,チャメチャ簡単に記載しまし
 た(汗)
 
 
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|  | ◎ 海草と海藻の違い 
 『かいそう』っと言っても『海草』と『海藻』があります。
 海草は花を咲かせ,種子を作って繁殖します。
 ジュゴンが海草のアマモを食べるのは有名ですが,ほとんど
 食用になりません。
 海藻は藻類を指し,花は咲かず胞子によって繁殖します。
 多くは食用になります。
 海藻の色は太陽の光が届く量に左右され,浅瀬になるほど地
 上の植物に近い緑色になり,深くなるにつれ褐色そして紅色
 と変化します。
 ◎ 緑藻類:アオサ,アオノリ
 ◎ 褐藻類:コンブ,ワカメ,ヒジキ,モズク
 ◎ 紅藻類:アサクサノリ,テングサ
 っということで,食用にされているのは海藻です。
 
 ※中毒を起こす海藻があるので注意を!
 
 
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